うちだのきもの のルーツ

先日、江戸小紋を染め出した職先から染見本が届きました。
思うような仕事をしてくれる工場が見つからず、しばらく間が空きましたがようやく江戸小紋の染め出しを再開することが出来そうです。
 
近頃の市場の流れを見てみると、売れ線の品物を創らざるを得ず、鮫、縞、行儀、通しなどの細かい柄が主流となっています。
洒落た柄のものも少しはありますが、パターンが決まっていて中々思う様な柄、色の品がないのが現状です。
私の祖父 内田秀一は江戸小紋の職人でした。
その祖父は生前、「江戸小紋は色が命」と言っていたそうです。
細かい柄で無地調子に染め上る江戸小紋は色によって雰囲気が全く変わります。
無地場が多い型紙の場合は染めた色よりも薄くなりますし、あまりに淡い色では柄が立ちません。
かといってありふれた色では面白くない・・・そこで地色をどの様な色にするのかが思案のしどころとなります。
祖父が染めた江戸小紋の生地見本、端切れなどを並べながら、あれこれ思案しております。
山梨県無形文化財 内田秀一(平成2年没)
祖父 秀一が江戸小紋に携わったことが「うちだのきもの」のルーツだと私は感じています。
ですから江戸小紋の染出しには一際思い入れがあります。
どんな品が発表となるか乞うご期待!!