昨日紹介した着物 ですが私は大体こんな事を感じました。
「ローケツと更紗を比べるとローケツの方が柄取りを崩した感じで洒落物の雰囲気がある」
「ローケツと紅型を比べると柄の分量と色合いから紅型の方がよそ行きのように見える」
「東京紅型を基準に他の二点を見ると色使いが大人しく見えて、紅型よりも着る方の年齢層が高いように感じる」
「ローケツと更紗は同じ唐草文様を題材にしているが、柄の印象は更紗の方が格式がある様に感じる」
「東京紅型は様々な型紙を使っているので派手に見える」
「ローケツは他の二点に比べて地色と差し色の対比が効いているので、合わせる帯で年齢幅が調整しやすい」
言葉にすると細かく分析したようですが、これらはパッと見た時の印象です。
お客様に着物を勧める時には色々と説明をしますが、それも瞬間的な印象が大半を占めます。
染織技法、職先の由来、着物の歴史などの知識は覚えていけば身に付きますが、こういった一瞬の判断は様々な状況を通じて感覚を深めていくしかありません。
こういって点は呉服屋の腕前と言えるかもしれません。