染帯の柄

今回は九寸染帯を並べてみました。
染物は柄の格式、組合わせ、色合いを変えていく事が出来るので、色々と工夫して楽しむことが出来ます。

鏡裏文

鏡裏文は古の貴族が持っていた鏡の意匠が元です。
当時鏡は舶来の希少品、高級品で身分の高い者しか持つことが出来ませんでした。
そのため鏡の外枠は凝った作りになっており、その様式が格式のある文様として扱われる様になりました。
また鏡は剣、勾玉と共に三種の神器の一つと数えられ、神聖、魔除けの象徴という意味合いもあります。

麒麟

麒麟は中国の伝説上の神獣です。
慶事、吉兆の文様とされており、祝い事などに用いられます。
また現在では キリンビール のシンボルマークとしても使われています。

トランプ

着物の柄と言うと華文や吉祥文を思い浮かべがちですが、モダンな柄で作る事もあります。
トランプの柄は独特の洒落感があり、紬などの良いアクセントになります。

織物に比べて柄取りが容易であるため、分類は同じ九寸染帯ですが柄は幅広く様々です。
組み合わせによって着物の様々な表情を引き出すので、使い勝手も良く、何より楽しいものですね。