群馬・埼玉への研修 ~ 国産絹の現状

8月24日(水)に群馬・埼玉へ研修へ行って参りました。
今回は群馬で絹製品を、埼玉では絹の織物工場と精錬所を見学しました。
群馬では製品になった生地を見ながら材質、製法の大まかな説明を受けました。
かつては日本の主力産業であった製糸業も海外からの糸の流入があり、5年前には養蚕農家への国からの助成金が打ち切りで、後継者不在などの事情もあって多くの農家が廃業し、国産絹糸の生産高が年々減少しています。
現在の国産糸の精算は群馬で全国の7割程度、あとは長野、四国で小ロットで生産しているのが現状です。
精錬する前の絹の裏生地

精錬後の生地

比較すると生地の白さのや風合いの違いが解ります

写真を見ると「流石は日本の絹生地!」と思われるかもしれませんが、こちらの生地は経糸に国産糸、緯糸に中国糸を使用しています。
経糸、緯糸を国産の糸で作った純国産の生地は先ほどの事情もあって維持をしていくのが難しい状況で、現状では一定を輸入糸に頼らざるを得ません。

こうした厳しい現状の中で今回お邪魔した現場の方々のお話をとても勉強になり、またこれから着物や業界とどう向かい合っていくべきか、ということを考えさせられました。