もの創りの現場 その1 「染物の染め出し」

「うちだのきもの」では「もの創り」をテーマにしてきました。
これは職人であった祖父 秀一の影響が強く、父 末雄が呉服屋を始めた時に「内田好みの着物、帯を扱っていく」というコンセプトから「“うちだの”きもの」と屋号を決めたことにも表れています。

しかし「もの創り」と一言で言っても、何をしているのかご存知の方は殆どいらっしゃらないかと思います。

そこで今回から「うちだのきもの」のもの創りの現場の一部をご紹介します。
まず第一回目は「小紋」のもの創りを例にご紹介していきます。
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染物のもの創り ①-1 柄の選定

写真などのサンプルを参考にして柄を選びます。

 

染物のもの創り ①-2 図案の選定



柄を選んだら白紙に描いた図案を出して、柄の追加、構図の変更などの打ち合わせをします。


染物のもの創り ② 生地の選定



染物の場合は一越、ちりめん、紬といった生地を使用しま
す。
生地によって染が上がりの風合いが異なるので、選定した構図のイメージや創り上げたい風合に合った生地を選んでいきます。


染物のもの創り ④ 図案の最終決定



後日、厳選した図案をさらに絞り込みます。

日を空けるのは目が慣れてしまって柄の調子などが似てしまったり、改めて見てみる事で柄の特徴などを見直すためです。

染物のもの創り ⑤ 色の選定



決定した図案を基に色本から地色などを決めていきます。

柄の雰囲気からどんな仕上がりにしたいかを考え、それに適した色を吟味していきます。



  
染物のもの創り ⑥-1 染め上り



こうして染めが上がったオリジナルの小紋には「目白 うちだのきもの」の口型を入れています。
親子で染め出した小紋には江戸小紋の職人であった祖父 秀一の色使いの影響が感じられます。
一反の着物が染め上るまでには手間も掛かりますが、それに見合った品物が上がってくると嬉しい限りです。